2021.08.30

新しい暮らしを始めるための選択肢5-➀中古物件

きっかけはいろいろあるものの、新しい暮らしをどこでどう始めようか悩む方も多いと思います。
また新築だけでなく、マンション暮らしや、中古物件の購入、実家のリノベなどなど
予算はどうか、何がいい選択なのか。
それぞれのメリット、デメリットはどうなのか。
連載5回に分けて、それぞれ実際の施工事例を例にあげてご紹介伊熱田します。
皆さんの参考になればと思います。

お客さんとの出逢い

ある長期休暇の中、事務所で一人作業しているときでした。

ご夫婦が電気の消えた事務所を見ながら、やっぱり休みかという様子で帰ろうかというところ。

気づいた私は声をかけ、ショールームに上がってもらうことに。

ご主人を見て見覚えのある顔だと。。。

そうだ!以前リノベした現場でOPEN HOUSEのイベントをやったときに、ふらっと見学に見えた人だ!

 

「お久しぶりです!あの時はありがとうございました!」

そういえば、「明日また奥さんを連れてもう一度来るよ!」と言われて帰られましたがお見えになりませんでした。

あれからは一年以上経っていました。

 

私は作業をやめ、お話を伺うことに

当時は乗り気でなかった奥さんがやっと重い腰を上げたとのこと。

ご主人が見学に見えた住宅は、建築事務所だった鉄骨造の建物を住宅にリノベした物件でした。

てっきり、リノベのご相談だと思っていましたが。。。

ご依頼内容

「今回のご相談は?」

もともとその地域がモノ作りが盛んな地域で、スレートつくりの倉庫が立ち並んでいるところでした。

それが新築住宅や、マンションなどに建て替えられ、周りが新しい建物に変わる中

自分のところがみっともなく見えて外観を新しく変えたいというのが主なご依頼でした。

 

鉄骨造のスレート倉庫、奥さんの祖父が大工を営んでいられた当時、作業場として使っていた建物の2階に孫娘(奥さん)のために住居スペースを作ってくれた場所に住んでおられます。

外装のスレートを取り払い、メンテナンスが少なくて済む外装に変えたいと、予算は500万ぐらいを考えてますと。

また2階へ上がる階段が急で、将来のために上がりやすくしておきたいというリフォーム的な内容でした。

 

さあ、ヒアリングの始まりです。

 

なぜ?

当然、「分かりました!見積りしましょう」

とはなりません。

まずは外装から、

なぜそこまでのお金をかけてメンテが少なくて済む外装にしたいのか。

 

もちろん自分の家として、周りと同じようにキレイにしたい!という思いはわかります。

そのほかに、お二人のお子さんのうちお兄さんは別の場所で家族を持ち新居を構えられてて

妹さんのために残すものを、メンテが少なくてお金をかけずに済むようにキレイにしておきたいとのこと。

「分かりました!」

 

では、妹さんは今どうしてるのかと聞くと、東京に仕事で出ているとのこと。

また、将来戻ってくる可能性はと聞くと、彼氏がいるとのこと。

なるほど。

 

では階段について、

なぜ緩やかにしたいのか。

理由はわかります。作業場として使っていたため、1階の階高が高く階段の段数も多いし、一直線に長い階段。

なるほどこれは危ない。

 

だから、将来足腰が弱くなり上がるのがきつくなるから、今のうちに対策しておきたいと。

もっともな理由に聞こえますが、そもそも将来のことは分かりません。

上がれなくなるかもしれません。その可能性を伝えると

上がれなくなったら1階で暮らせるようにするとのこと。

 

「わかりました!では一度現地の確認にうかがわせてください!」

 

現地調査で見た宝物

そして迎えた現地視察。

一目でそのスレート倉庫に「かっこいいじゃないですか!」と

新しい建物に囲まれたその姿は、他にはない存在感が!確かに見た目は古めかしく見えるが

それは手入れがされていないだけ。

 

その時に、これを生かさない手はない!と、口に出さずそう思っていました。

屋根に突き出したベンチレーターもいい感じ!

しかし、奥さんは「あれが嫌なの!」

それからの数回の打合せで何度も出た言葉!(笑)

 

一階はがらんどうで倉庫として使って見えました。

中二階が一部あり、おじいさんの大工時代のモノが使う予定もなく積み上ってました。

なんとホイストクレーンも当時のまま。

勝手にワクワクしてました。

 

そして階段のこと。確かに上りずらいし危険だと思いました。

が、気になっていたのは将来上がれなくなったら下で生活するとの言葉。

 

実は、この最初の現地視察のときにどんな提案をするかのイメージが出来上がっていました。

まさに宝物を見つけた感じでした。

ここにしかない空間提案

ヒアリングと現地調査を経て、私が出した答えは

「今元気なうちに、自分達らしく、楽しい暮らしをしましょう!」でした。

動きにくくなる、または動けなくなるかもしれないを考えるのではなく

その予算を今の暮らしを豊かにするために使うことを提案しました。

 

メインの生活空間を1階に持ってくるということです。

がらんどうの空間はいろいろな可能性がありました。

大きな3つのシャッターは撤去し、玄関から続く広々とした土間とし、そこから出入りできるアウトドアスペースを確保。

 

そして、玄関ドアをくぐると目の前にはキッチンが配置された開放的なリビング。

リビングから小上がりの階段を付けた中二階にはサブリビングを。

 

内部の住宅感とは対照的に「外観の倉庫感は残しましょう。」

エントランスの作り方で、塗装して色を変えるだけで、中外のギャップが生まれ

きっとここにしかない雰囲気が生み出せると確信してました。

 

予算も予定されていた金額より大幅にかかりますが、外装の部分を抑え、将来掛けようとしていた予算を使っただけで、お二人とも元気なうちに豊かな生活を送れる空間提案をしました。

 

またホイストクレーンもそのまま残し、玄関・土間・リビングスペースにアクセントをつけるのに一役買ってもらいました。

 

どこにもないこの生活空間を今では、友達を呼んで自慢するほどとても気に入ってもらえています。

倉庫を生かしてリノベするという選択肢

中古物件を探してリノベするという選択肢の中に、通常探すのは中古住宅だと思います。

しかし、今回のように倉庫でありながらも

新築ではもっと予算をかけないとできないことが、見た目にも機能的にも実現する可能性もあるということです。

 

もちろん中古住宅を買ってリノベするにはデメリットもあります。

新築よりも予算を抑えることが出来ると思っていても

物件によっては耐震性や温熱環境を整えるのに予想以上の予算がかかることがあります。

 

中古物件をリノベする選択肢には、いい素材の物件と出会えることだと思います。

 

今回は実際のリノベを例に挙げて、選択肢の一つとしてお話ししましたが、これからの5回にわたっての連載を参考に

自分たちに合った選択肢を見つけてもらえると嬉しいです。

スタッフ紹介

前田敏行

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