2020.11.27

ジョージ・ナカシマ

初めて知ったのはかれこれ20年くらい前のこと。
ある本屋の洋書コーナーを見ていて目に止まったのが始まり。
釘付けになり、当時にしてはとても高い買い物だったけど、それ以上の価値が私にはあり、沢山の仕事にも繋がった。

材木を扱い始めた頃

当時、世界各国から珍しいもの、例えば
まだ日本に入ってきていないものや、日本の銘木屋さんの価値から外れたもの、キズやフシなど入ったものなど。
あとは扱い辛い大きいもの、長さが8メートルとか、ブビンガのような大径木をあつかった。
そもそも名古屋の木場には日本一大きい製材機を持つ製材屋さんが数件あった。
なので、大きいものは一旦名古屋にあげ、この製材機で小割りして各地方に運ぶことになっていた。
なので、名古屋は他の地方より、沢山の丸太を見ることができた。
そんな環境の中、原木を取り扱うオヤジたちも私の価値が少し理解してくれ、お前の好きそうなもの買っておいたぞ、と、誇らしげに土場に案内してくれた。

まだ日本に入ったことがない木だから名前がないし、お前がつけろ、とか。
まっすぐ通った綺麗でない曲がりくねったものや、二股に分かれたダブルハートという目を持つもの、中にキズ、例えば割れやハブシなどが入ってしまっているもの、などなど。

古材も扱いながらの銘木材なので、銘木屋さんとはまったく違った価値観が周りは目もくれないなかでわたしはワクワクしていた。

個々の木の持つ個性を活かす

そんな時手にしたジョージナカシマの洋書。
私の背中を、この本が押してくれた。
それも2世なので外国の感性を融合させながら、ものづくりをしているその姿に感銘を受けた。
キズを意匠にし、チギリをバランスよくいれたり、木のくせからなる木目をブックで剥ぎ迫力ある天板を表現したり。
建築構造を生かしたテーブルの足の納まりだったり。ジャン・プルーベとも通じるものがある。

まさに現代を生きる若者の持つ感性と似た価値観だと思う。
高級なものだからではなく、自分なりに価値を見出し、それを表現する。
決して横並びではない、自分ならではのもの、なのだ。

憧れのチェアと共に

その憧れのジョージナカシマがウチにやってきた。
やっと手にしたダイニングチェアとラウンジチェア
ダイニングチェアはイグサを編んだシート。
包まれるような安心感のある椅子だ。
もう一つのラウンジチェアは工場まで出向き、自身でウォルナットのパーツの中から選び、霧吹きで水を掛け、色合いの確認をして4ヶ月。
そいつらがウチの事務所に先日やってきたのだ。
ただ、まだ未完成の空間ではあるが十分に存在感を出している。

そばにあると自身の意識も高まる。
丁寧な仕事をし、価値を見出し、人を笑顔にする。
ファクトリー・ツールはそんな会社を目指します。

スタッフ

植松和典

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