2020.12.21
機能性と意匠性のステキな関係Ⅱ
ステキな空間に見えるそこには、工夫された機能性があふれてる。
2020.12.21
ステキな空間に見えるそこには、工夫された機能性があふれてる。
前章でもお伝えしましたが、機能性と意匠性と聞くと、なんとなく相反すようなイメージを持たれると思いますが
今回も例を挙げて、その二つの要素にはお互いに高めあうステキな関係があることを皆さんにお伝えしたいと思います。
前章では軒の出や庇を例に挙げてお話ししました。お時間があればこちらもご覧ください。
機能とは物の働きのことで、それぞれの役割を持ちながら、相互に関連しあって全体を構成しているもの
意匠とは、物の形や色、模様などのデザイン
意味だけ聞くとやっぱり相反するような。。。
しかし、住宅建築での機能性と意匠性にな密接な関係があるのです。
今回は格子(こうし)に視点を置いてその関係を紐解いていきます。
建築で格子というと、窓の面格子が代表的ですね。あとは室内や室外の目隠しに用いられる目隠し格子。
窓の格子は防犯目的。目隠し格子は言葉そのまま目隠し目的ですよね。
しかし最近ちょくちょく聞かれるのが、機能性ではなく、意匠性としての格子があります。
外壁面に格子を採用することで、外観のデザインを良くする目的でつかわれることが多いようです。
私が聞いたことがあるのは、外観からの見え方だけで、その格子を縦より横に使うほうがいいとか、見た目だけで提案することが多かったのです。
本当にその格子はデザイン目的だけで使われていいのでしょうか。
また、アルミの心材に木目のシートを施されたものが多く、それだけでの単価も上がりますよね。
例えばその格子を大きな開口の窓にかぶせ、外部からの見えがかりを意識して取り付けることでカーテンのいらない窓にすることができ、外観からは一見窓がないように見せることができるし
土地の特性を生かす配置の角度をによって、日差しの入り方を調整することで、格子を通した日陰との陰陽を室内側で楽しむことができます。
このようにデザインだけで計画するよりも、機能性を持たせることによって、住まい手がその意味を持つことにより、見た目だけのデザインよりも意味を持たせたその空間が、格段に意匠性を上げます。
ただ、かっこよく見せようとデザインするより、そこに機能性を持たせた工夫を取り入れることで、より一層かっこよく、ステキに見えますよね。
ステキな空間に見えるそこには、工夫された機能性があふれてる。
以上、機能性と意匠性のステキな関係!格子編でした。