輸入の窓はペアガラス

今から30年くらい前、輸入品の窓を扱う会社で働き始めました。北米から「木製サッシ」といわれるものを輸入し、日本の工務店さんに納めるといった仕事でした。当時の日本は「シングルガラス」といって、ガラスが1枚の窓が主流で、丁度ペアガラスのサッシが出回り始めた時期でした。輸入の窓は「ペアガラス」又は「トリプルガラス」が基本で、工務店さんに持っていくと「輸入品はさすがだねぇ。」と感心されたくらいでした。

MARVIN WINDOWS

「木製サッシ」も非常に珍しく、サッシと言えば「アルミサッシ」が当たり前だった時代に木製はかなりレアでした。(今でもレアですが) また取扱いをしていた窓は、輸入品の中でも上位グレードの部類に入る窓で「MARVIN WINDOWS」という商品で、非常にクオリティが高く性能も高い窓でした。北米でも、主に高級住宅用の窓で、某Mソフトの会長宅にも使われているような商品で、日本で納品させて頂いたお客様も、今思えばかなり高額な住宅だったと思います。

現場での苦労

非常に優れた商品だったのですが、難点は「重い」ことでした。特に大工さんからは「重てえなぁ!!」と怒られながら、現場の皆さんのお力を借りてなんとか納品しておりました。そういう経緯もあり、初めて納品する際は必ず現場に立ち会いをするようにしていました。取付けも一苦労で、重い窓をどうやって正しく納めるか、固定方法や正しい防水のやり方などを説明しながら、少しずつですが現場の方々とも仲良くなりました。

現場からの声で気づいたこと

ある日、仲良くなった大工さんからこんな事をいわれました。「この窓は非常に重くて面倒で、嫌いだった。ただ、工事中の現場でも窓のおかげで”冬の寒さ”や”夏の暑さ”が全くちがう事が分かる。これだったらお施主さんも喜ぶだろうと思うので、嫌いじゃなくなった。」 普段から使い慣れている物、施工性の良い物、クレームが起きにくい物、そういった条件を並べていくと、どうしてもビニールやプラスチックでできた新建材に行きついてしまう。それはそれで良い部分を持っていますが、供給する側が自分の都合ではなく「お客様の代わりに良い買い物をする!」と思って建材をセレクトしなくてはならない、とその頃から考えるようになりました。

ファクトリーツール編集部

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