古臭い方がいい

なぜ新築物件ではなくあえて築37年の古いマンションを選んだかというと、金銭的な問題もあったけど、新築のあのピカピカした床と建具に全くピンとくるものを感じていませんでした。

築37年のそのマンションの床は残念ながらシート張りの床へ、壁はビニールクロスへと張り替えられていましたが、天井は塗り替えてありましたが塗装のままで、建具の枠も建てられた当時の素材の上にペンキが塗り重ねられていました。

そのペンキの色は、何故この色なんだろうって感じのうすーい灰色だったけれど、その塗り重ねられた質感と微妙に古臭いその色が部屋全体をノスタルジックな雰囲気にしてくれています。

母の手作り

椅子はアンティークのものだったり革張りのものだったり、古材を使ったテーブルや、カーテンやクッションなどファブリックはリネン素材で色をオフホワイトに統一したり、私なりにインテリアの色合いを統一させているのを感じとった母が、私に用意してくれたお部屋の飾りは、いつも母が作っている綺麗な色合いのブリザーブドフラワーではなく落ち着いたナチュラル色のドライフラワーだった。

私が母の日にプレゼントした紫色の紫陽花と玄関先のグリーンをあわせてドライにしたものだった。

インテリアって大切

天板が古材でできたテーブルは自分で悪戦苦闘しながら作った想い入れのあるインテリアのひとつとなっている。

母がプレゼントしてくれたドライフラワーにもストーリーがある。

買ってきたアンティークの椅子にも私の知らないストーリーがあって今のインテリアとしての佇まいになっている。

バタバタ引っ越すことになって少ない時間でコーディネートしたお部屋だけども、訪ねてきてくれたお友達に『やっぱりインテリアは大切だよねぇ』って言ってもらえたことはインテリアに携わったお仕事をしている私にはとてもうれしい言葉だった。

 

ファクトリーツール編集部

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