この仕事との出会いと想い
きっかけ。
そもそものきっかけは私の独身時代のアルバイト先。
アンティーク家具を取り扱っているビンテージハウスから始まる。
日中はお店で家具のメンテナンスや現場作業。
閉店後からお店の家具入れ替え、レイアウト。中には深夜のデバン。
寝る事を時間に加えていないのだろうか、とも思ったことがある。
あとで知ることになったが、実はオーナーは自分と同い年。
どこから見ても当時40歳以上にしか見えてなかった。
彼の将来を見据えたあの頃の姿に、のちのち自分も起業することで重なるものが多数あった。
ヨーロッパ研修。
ドイツ、イギリス、フランス、ベルギー。
この研修旅行が、のちの自分の人生を導くきっかけになったことは間違いない。
ある案件で、『年中クリスマス』をコンセプトに、披露宴会場の演出依頼があった、
なんとそこで、本場であるドイツに足を運び、視察に行く事になった。
物づくりに対してそれなりにエネルギーを持っていたけどドイツまで見に行くとまでは自分では想定できなかったと思う。
でもこれも私たちに世界を見るきっかけを作ってくれたのだと思った。
自分のイメージを超える建材。
このタイミングで合わせたかのようにイギリスではインタービルトショー。世界に向けた建材展だった。
自分のイメージを超える建材があちこちにあった。ここでアンティーク建材が、当時普通に流通しているイギリスだから見れたものがたくさんあった。
アメリカではないヨーロッパならではの歴史とそれを重んじる今を生きる人達の意識が、日本の効率、生産性だけで作られている物とおおきな違いを見たように思った。
歴史を尊重し、継承しながらも今の感性を上手く掛け合わせることが新しきを生む。
私の見た建材展の商材がそういっているように思えた。
日常がアンティーク。
フランスでは古い歴史あるホテルに。我々からすると作られたアンティークテイストのものが、ここでは日常の空間。
きれいに磨き上げられた木材はウレタン塗装では決して見ることができないしっとりとした輝きを醸し出していた。
全てにおいて丁寧に、職人の技術が光る。
ベルギーにはTGVで移動。
今も鮮明に残っているアールヌーボー、オルタハウス。
全てにおいて丁寧に、職人の技術が光る。
滑らかで繊細なラインが、硬いチーク材や鉄から作られている。機械加工では真似のできない職人技術を生かし、彩られたアールヌーボー期ならではの芸術品だった。
他にもレースの街プルージュや石で作られたお城、ゲントにも訪れた。
どこにきても歴史が今もなお、色濃く残り、国だけでなく国民までも歴史と共存している姿が印象的だった。
ゼロから創り出す喜び。
あるクリスマスシーズンを向かえるディスプレイ時期、お菓子売り場のウインドウに電動で動くメリーゴーランドのオブジェの製作依頼をうけた。
大きさは90センチ程度のもので自分でギアを組み合わせ、モーターを仕込み程よく回るものだった。
納期3日前くらいに組み上がり、スイッチをオン。
ところがうんともすんともいわない。動かないのだ。慌てて解体。組み直し。でもだめ。
何が悪いのか。ギア比を変えてみてもだめ。
あっという間に納品時間に。
ダメだ、とりあえず持って出よう。
なんて言おう。すいません、動きません、では済まない。
そうだ、さっきまで動いていた程で持っていこう。設置が終わり電源を入れる。
ダメ元だが、念じて、動け!
動いたのだ。
何が原因かわからないまま、動いた喜びを隠し何気に過ごしその場を後にした。
無から創り出す楽しみ。
とりあえずいろんなものを作った。
基本は設計図のないイメージマンガをもらうだけ。その分自分なりに素材を探し、納まりを考えて作り上げる。
大変だったけど楽しい時間だった。
絵を描く本人もイメージしか持たないものだけに原物をみてテンションを上げてくれた。
無から創り出す楽しみ。いろんな素材の開拓。世の中にあるもの全てに目を向ける良い機会となった。
今もなおできないものはない。 そう信じトライできるのはこんな経験をしたからなのかもしれない。
自分のこだわり。
私はほぼ一年の半分を短パンで過ごしていた。動きやすく、手っ取り早く、ぬけ感もあるけど、オシャレに気を使っているようにも見えるからだ。
短パンのくせに上は長袖をよく着る。Tシャツの上からカバーオールを着たり、パーカーを着たりすることもある。
エアコンのかかった部屋で過ごしているとこれくらいがちょうどいい。
最近重宝して、よくはいているのがノースフェイスのスウェット地の短パン。
コイツはここのところ最強で、ちょっと賢目でいく時は上に白の長袖シャツを着る。
足元はスニーカー、スタンスミスだ。
スタンスミスは高校時代から切らしたことがない。同様にスーパースター、コンバースオールスター。なかでもジャックパーセルは別格の位置にいた。
死ぬまでデニムが履いていられるジジイになる。究極の理想の姿。
今から25年くらい前のこと、
あるハタ屋さんに、伺ったときのこと。
おくから出てきたお兄さん、なんの格好もつけることもなく、古びたデニム、リーバイス505、66モデルっぽいジーンズに、よれた霜降りのスウェット、足元はコンバースのジャックパーセル。
意識することなく自然に着こなした姿で、布について丁寧に私達に話しをしてくれていた。
若い時から憧れていたあのスタイルだが、決してファッションが先には立っていない。
何気に、普通に、なんてことないのに、格好いい。そんな空気感が私の感性のアンテナに反応したのだと思う。
なんてことないのに、格好いい
多分一番むずかしい、究極の理想の姿だと思う。自分もそんなオトナになれるようまだまだ精進していきたい。
想い。
個々の木の持つ個性を活かす
ジョージナカシマの洋書。
私の背中を、この本が押してくれた。
それも2世なので外国の感性を融合させながら、ものづくりをしているその姿に感銘を受けた。
キズを意匠にし、チギリをバランスよくいれたり、木のくせからなる木目をブックで剥ぎ迫力ある天板を表現したり。
建築構造を生かしたテーブルの足の納まりだったり。ジャン・プルーベとも通じるものがある。
まさに現代を生きる若者の持つ感性と似た価値観だと思う。
高級なものだからではなく、自分なりに価値を見出し、それを表現する。
決して横並びではない、自分ならではのもの、なのだ。
憧れのチェアと共に。
その憧れのジョージナカシマがウチにやってきた。
やっと手にしたダイニングチェアとラウンジチェア
ダイニングチェアはイグサを編んだシート。
包まれるような安心感のある椅子だ。
もう一つのラウンジチェアは工場まで出向き、自身でウォルナットのパーツの中から選び、霧吹きで水を掛け、色合いの確認をして4ヶ月。
そいつらがウチの事務所に先日やってきたのだ。
ただ、まだ未完成の空間ではあるが十分に存在感を出している。
そばにあると自身の意識も高まる。
丁寧な仕事をし、価値を見出し、人を笑顔にする。
ファクトリー・ツールはそんな会社を目指します。
人それぞれの価値観十人十色。
その価値観を私たちにたくさん話して、形にしませんか?
あなたの価値観を教えてください。
私たちはモノを売るのではなく、「人」と「素材」を活かし
あなたのライフスタイルに寄り添った家づくりを提供します!
なんでも話してください。
色々聞いてください。
あなたらしさを引き出して見せます。
ショールームに来て、ファクトリーツールの手掛けた施工例をたくさん見て体感してください!
ジョージナカシマを取り入れたチェアもご覧いただけます。
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